2009.06.02 14:15
吉祥寺に住んでいた時代、
よく通うBARがあった。
ラムとシングルモルトが
充実しているお店で、
マスターがかける音楽も
とてもセンスがよい、
居心地のいい場所だった。
そのマスターが言った。
「松井さん、人って
どこから歳をとるか
知っていますか?」
「えーと、頭髪?」
マスターは、
薄毛だった。
「違います」
「じゃあ生殖機能だ」
「違います」
キッとボクを睨みつけ、
マスターは続けた。
「人は、耳から歳をとるんです」
新鮮な意見だった。
その真意を問う。
「みんな、歳を重ねても
本や映画は新作を見ますよね。
食事だって飲みにだって
新しい店に行き続ける。
でも音楽は、だんだんと
新譜を聴かなくなるんです。
昔好きだったCDばかり
繰り返し聴くようになり、
仕舞いに、大人は
音楽から離れていく。
ビートルズやストーンズ、
古典はもちろん
すばらしいです。
再結成ブームだって
悪くはない。
でも、音楽だって常に
進化しているです。
新しい音楽を聴いて、
耳に新しい刺激を
常に与えないと、
どんどん感性が年老いて
いくんですよ――」
強かに酔っていたため、
発言の詳細は覚えておらず、
上の文章は、いま自分で
考えたものだ。
でも、話のテーマは
そういうことだった。
新しい音楽に、
意識的に触れたほうが、
感性を若々しく
保てるんだ、と。
目から鱗が
バラバラと落ちた。
当時、30歳。
言われてみれば、
高校、大学生時代の
音楽との接し方は
ずいぶん積極的だった。
なのに、どうだ。
最近じゃあ
同じ音楽ばかりを、
まるでルーティン
ワークのように
垂れ流してる
だけじゃないか。
実は、これは
オーディオ業界も
罹っている病だ。
オーディオ機器の
発表会でかける音楽は、
21世紀のいまも
イーグルス。
悪くはない。
ドン・ヘンリーは
いつだってクールだ。
でも、オーディオの進化に対し、
みんなの耳がそこで
止まってしまっていては、
しょうがないじゃないか。
薄型テレビの発表会なら、
現時点での最高の
グラフィックスの映画を流し、
その画質をアピールする。
見た瞬間、新しい時代の
到来を体感できるのだ。
もちろん音楽は、
新しい古いでその価値を
分けるようなものじゃない。
古典でも、自分が未聴なら、
それは新譜と等価だ。
機械じゃないんだから、
最新=最良ではありえない。
要は、視野を広げようと
いうことだ。
ユーザーは、
自分の価値観を
一旦フラットにして、
新しい世界を積極的に
覗いてみてほしい。
同時にメーカーは、
自社製品の優位性を
アピールする際に、
新しい音楽を提示してほしい。
ということで本題に入る。
耳が老いつつある僕、
そして読者諸君が、
少しでも音楽に
還ってこられるよう、
素晴らしいオーディオと
新しい音楽の
組み合わせを
紹介してみたい。
そのオーディオとは、
ウルトラゾーンから新登場した、
ヘッドホン「edition8」だ。
(詳細はゲットナビ8月号)
伝説の高級ヘッドホン
シリーズの最新作で、
実売価格は15万円前後。
予約数が初回入荷数を
上回っており、
発売直後は購入が難しい、
との大好評ぶり。
ということで、
早速実機をお借りし、
試聴させていただいた。
ピックアップしたのは、
もちろん耳に新鮮な
感性を与えてくれる
新しいミュージック。
エリック・モングレインの
インスト曲「Air Tap!」
(アルバム「fate」より)だ。
ご存知の方も多いだろうが
参考までにYoutubeを
貼り付けておく。
この音楽――
初めての人は、
きっとなんらかの
ショックを覚え、
その後、しみじみと
感動が胸を打つだろう。
皆さんの耳も、
少しでも若々しく
保てるように、
ぜひ聴いていただきたい。
で、試聴だ。
一音目、ゾワっと
鳥肌が立った。
ヘッドホンの音場
じゃないよ、これ。
耳のすぐ横で
音がなっている感じではなく、
脳みその中心から
音が拡散していく
ようなイメージ。
モングレインの
清冽なギターも
音の粒が目に
見えるかのように美しく、
あっという間に
その世界観に引き込まれた。
このクオリティの音で、
新しい音楽を聴く。
耳が10歳も20歳も若返る、
かけがえのない
体験だと思った。
大げさじゃない。
意味もなくポジティブになり、
豁然と胸が開けるような
新鮮な気持ちになったのだ。
15万円という価格は、
耳のアンチエイジング
としてはやや高価だが――
正直、心は揺らいだ。
しかし、いい機器で味わう
素晴らしい音楽というのは、
やはりアディクトなものだ。
アンチエイジング
ババアみたく、
散財を厭わず
肉体改造する気はないが、
ちょっとは
気をつけないとね。
ま、こんなこと書きながら、
目下の楽しみは
6月9日リリースの
曽我部恵一BAND
「ハピネス!」
だったりする。
やっぱ音楽だと、
青春時代の残像って、
大きいよね。
身もフタもないシメで
すみません。
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今日のベランダ菜園通信(6月2日)
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ゲットナビ6月号の
「週末農業」特集に
インスパイアされて、
ベランダ菜園を始めた。
ここでその様子を
レポートする!
● ジャガイモに花が咲きました!
●プチトマトがこんなに増えました!
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